Q. スポットワーカーを受け入れる際の労務管理のポイントを教えてください。
人手不足を背景に増えている「スポットワーカー」は、どのように活用すればよいでしょうか。
A. 人手不足を背景に、単発・短時間で働く「スポットワーカー」を活用する動きが広がっています。ただし、スポットワーカーであっても事業主の指揮命令を受けて働く場合は「労働者」にあたり、労働関係法令が適用されます。通常の従業員と同じように、適切な労務管理を行う必要があります。
■スポットワーカー受け入れ時の注意点
スポットワーカーを活用する事業所は年々増えており、2025年11月から2026年1月までのスポットワークの募集件数は、4年前の約12倍にのぼっています。
受け入れにあたっては、業務内容や労働条件をあらかじめはっきりさせておくことが大切です。スポットワークでも事業主とスポットワーカーの間には直接の労働契約が成立し、労働基準法等を守る義務が発生します。勤務時間や賃金、業務内容、就業場所などは、働き始める前にきちんと明示しなければなりません。
あわせて、安全衛生上の注意事項や個人情報の取り扱いについても、前もってルールを共有しておきましょう。短時間の勤務では説明が足りないことによるトラブルが起きやすいため、受け入れ時に使う簡易マニュアルやチェックリストを用意しておくのも効果的です。
■仕事中や通勤途中にケガをした場合
業務中や通勤中のケガは、スポットワーカーであっても労災保険の対象になります。労災保険料は事業主が負担し、給付は就労先の保険関係にもとづいて行われます。事業主には労働災害を防ぐための安全配慮義務もあるため、業務を始める前の安全教育や、危険を伴う作業についての注意喚起を欠かさないようにしましょう。
■予定より早く仕事を切り上げてもらった場合の賃金
事業主の都合で早上がりや休業をさせたときは、休業手当を支払わなければなりません。
また、制服への着替えや業務後の掃除など、事業主の指示にもとづく準備・後片付けの時間は労働時間にあたります。待機時間も、事業主の指示によるものであれば労働時間として扱う必要があります。
実際に働いた時間を正しく把握し、所定の支払日までに賃金を支払うようにしてください。
スポットワークの形態はさまざまですが、雇用仲介を行う事業者(「スポットワーク仲介事業者」)が提供する雇用仲介アプリを通じて、マッチングや賃金の立替払いが行われます。とはいえ、スポットワーカーとスポットワーク仲介事業者との間で労働契約が結ばれるわけではありません。
スポットワークでは事業主とスポットワーカーが直接労働契約を結ぶため、労働基準法等を守る義務は、労働契約を結んだ事業主にあることに注意が必要です。
(2026年6月編集/社会保険労務士法人日本経営)


