政府は7月21日の閣議で「経済財政運営と改革の基本方針2026」(骨太の方針2026)を決定した。社会保障については現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指す姿勢を明示。その実現のため、「社会保障制度が果たす機能を損なわないよう配慮しつつ、社会保障負担率の目標の検討を進め、これとあわせて、社会保障改革について2026年度中に改革項目の具体化と工程の明確化を図り、順次実施する」と書き込んだ。27年度の社会保障負担率は、25年度の水準並みに抑制する。
医療機関・介護事業所等の経営の安定化や従事者の処遇改善に向け、物価や賃金の変動に適切に対応する必要性を繰り返し強調。医療については、経済・物価の動向が26年度診療報酬改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合に、27年度予算編成過程で診療報酬上の加減算を含む調整を行うことを改めて明記した。
27年度の次期介護報酬及び障害福祉サービス等報酬改定については、経営データベースの整備・活用を含め、26年度診療報酬改定における取り組みを参考にしつつ、「物価の変動に適切に対応するとともに、他職種と遜色のない処遇改善の実現を図る」ことを目標に据えた。
70歳以上の医療費窓口負担割合見直し、26年末までに改革工程表を策定
一方、医療保険制度では、70歳以上の医療費窓口負担割合について、「低所得者等の必要な受診が確保されるよう適切に配慮することを前提として、原則3割となっている現役世代との間で年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から見直しを行う」と明記。そのための改革工程表を26年末までに策定する方針を打ち出した。介護保険制度では、2割負担の判断基準見直しについて「26年度中に結論を得る」と記載した。
医療情報化推進方針を策定し、▽医療機関の情報システムの刷新▽電子カルテ・電子処方箋の普及と情報連携▽医療・介護に関する情報の連携と二次利用を含む利活用基盤の構築―などに取り組むことも盛り込んだ。
27年度に薬価の中間年改定を実施、費用対効果評価の見直しでも「一定の結論」
医薬品行政では、「創薬イノベーション、医薬品の安定供給と国民負担の軽減の観点から27年度薬価改定(中間年改定)を実施する」と明言。その際には、費用対効果評価制度の見直しについても検討し、「一定の結論を出す」と記載した。
高市政権が重要施策に掲げる「攻めの予防医療」では、▽健康増進、肥満症を含む疾病予防、早期発見、早期介入及び行動変容▽認知症の早期診断・早期対応▽予防・医療・介護を通じた切れ目のないリハビリテーション▽PHRの利活用と情報連携―などに取り組む。