2027年度介護報酬改定について審議中の社会保障審議会・介護給付費分科会は6月29日、訪問系サービスや居宅介護支援などをテーマに意見を交わした。高齢者が抱える課題の複雑・複合化で一層重要性が高まる居宅介護支援では、ケアマネジャーの確保が大きな課題であることが示された。
居宅介護支援の請求事業所数は18年をピークに減少傾向にあり、ケアマネジャーの従事者数は横ばいで推移している。今後の生産年齢人口の急速な減少でケアマネジャーの担い手不足は一層深刻化することが見込まれ、ケアマネジメント業務以外の業務負担軽減や処遇改善などを進め、なり手を確保することが喫緊の課題だ。
その対応策として直近では、26年6月成立の改正介護保険法に5年ごとの資格更新制の廃止が盛り込まれたほか、26年度の介護報酬の期中改定で「介護職員等処遇改善加算」の対象サービスに居宅介護支援が追加された。
厚労省はこの日、27年度改定に向けた対応として、生産性のさらなる向上を図りつつ、ケアマネジャーがその専門性を十分に発揮し、それぞれの地域の実情に応じて必要なケアマネジメントの体制を確保していくための方策の検討を分科会に求めた。
訪問介護は事業所の所在地域や規模、事業形態等を踏まえた検討を要請
訪問介護は24年度の平均収支差率が9.6%と、全サービス平均(4.7%)と比べて高い水準にあるが、個々の事業所の経営状況は地域の特性や事業所規模・事業形態等に応じて大きく異なる。
このため厚労省は、「訪問介護事業所の収支状況について、全国平均による多寡だけを見るのではなく、こうした訪問介護の特性を踏まえて検討を進めることが必要ではないか」と指摘。ケアマネジャー同様、訪問介護員の不足が課題である点も勘案し、利用者の状態に応じて必要となるサービスを地域で安定的に提供するための方策の検討を求めた。
訪問看護はPT等による訪問の評価適正化が再び課題に
訪問看護については、医療ニーズの高い在宅療養者の増加を踏まえ、緊急時対応体制や関係者との連携体制の構築により、質の高い看護サービスを効果的・効率的に提供する事業所を手厚く評価する方向性を打ち出した。
一方でリハビリテーションの提供が主体の事業所が一定数存在することが問題視された。理学療法士等(以下、PT等)による訪問については累次の改定で評価の適正化が行われ、24年度改定ではPT等による訪問回数が看護職員による訪問回数を上回る事業所などを対象にした減算措置が導入された。
しかしながら、PT等による(介護予防)訪問看護の算定割合は横ばいで推移し、単位数は増加傾向にある。これまでの施策の効果は限定的とみられることから、次期改定でも再び評価の適正化が論点になる可能性が高い。