政府は6月30日の経済財政諮問会議に、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2026」の原案を提示した。社会保障については現役世代の保険料率上昇を止め、引き下げていく方針を掲げ、その実現のために「社会保障負担率の目標について検討を進め、社会保障改革について、26年度中に改革の具体化と工程の明確化を図り、順次実施する」と記載した。27年度の社会保障負担率に関しては25年度と比較して上昇しないことを目指す。
医療・介護・障害福祉分野では、経営情報の見える化により経営実態を把握した上で、物価と賃金の変動に適切に対応し、経営の安定化、処遇改善を図りつつ、社会保障制度改革を着実に実行すると明記した。その際、経済・物価の動向が26年度診療報酬改定時の見通しから大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合には、27年度予算編成過程で診療報酬上の加減算を含む必要な調整を行う。
地域の実情に応じた質の高い効率的な医療・介護サービス提供体制を構築するため、27年度以降の新たな地域医療構想を踏まえた医療機関の連携・再編・集約化を促進するとともに、地域包括ケアシステムの深化を図る。
将来需要を踏まえ、老朽化した医療機関等への必要な支援を検討
医療分野については、かかりつけ医機能の発揮や医師の地域・診療科偏在のさらなる是正策を含む総合的な医師偏在対策、地域の実情を考慮した28年度以降の医学部定員の削減に取り組む。医療人材の実効的な養成・確保策も検討する。新たな地域医療構想の下での将来需要を踏まえ、老朽化・災害対策を含む地域に不可欠な施設・設備の計画的な整備への支援のあり方の検討も盛り込んだ。
OTC類似薬は、27年3月に導入予定の一部保険外療養の施行状況等を踏まえ、27年度以降の対象範囲拡大に向けた検討を実施。先行バイオ医薬品についても、バイオ後続品の普及促進に向けた環境整備の状況を踏まえ、保険給付範囲の見直しを検討する。長期処方やリフィル処方箋の活用、地域フォーミュラリの全国展開、休薬・減薬などの促進による給付の効率化・適正化も図る。
誰もが社会の担い手として活躍できる日本の実現を目標に「攻めの予防医療」を推進し、健康増進、疾病予防、早期発見・早期介入に関係機関が連携して取り組む方針も打ち出した。
介護は2割負担の判断基準見直しについて「26年度中に結論」
介護分野では介護保険制度における2割負担の判断基準見直しについて、「26年度中に結論を得る」と明記した。27年度介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定は、賃上げの状況や事業者の経営状況を把握した上で物価変動に適切に対応するとともに、他職種と比べて遜色のない処遇改善を実現する。
創薬を官民が一体となって危機管理投資や成長投資を行う17の戦略分野の1つに位置付け、27年度の次期薬価改定は「創薬イノベーション、医薬品の安定供給と国民の負担軽減の観点から実施する」と記載した。日本の医薬品市場の魅力を高めるため、医薬品の画期性に対する初収載時の適切な評価や特許期間中の薬価のあり方を含め、革新的新薬のイノベーションのさらなる評価についての検討を進める。