日本医師会の松本吉郎会長は19日の定例記者会見で、発生から約3週間が経過した「令和8年熊本地震」について、これまでの対応と今後の方針を示した。
日本医師会は18日、全国47都道府県医師会と災害対策本部会議を開催し、水足秀一郎熊本県医師会長や日本医師会災害医療チーム「JMAT」を統括しているメンバーとの間で情報共有を行い、JMATの派遣体制の再構築について協議した。
また、9日には松本会長自身が熊本県庁と宇城地域を訪問し、熊本県医師会や地元の医師会、JMATの参加者から現状報告を受けた。訪問時点での一番の問題は「水不足」であり、特に「断水が解消されれば、多くの医療機関が通常診療に戻ることができる」との報告があったことから、「様々な関係者に対して、問題解決を強くお願いした」と述べた(資料P8参照)。
同チームの活動については、熊本県庁内と宇城・八代地域にJMAT調整本部を設置し、17日までに延べ192チーム、776人を派遣したと説明。「こうした迅速な対応も、全国の都道府県医師会に協力いただいたおかげ」と謝意を表明した。加えて、2018年に協定を結んだ日本災害医学会より、コーディネーションサポートチーム(CoST)も現地に派遣されたと報告した(資料P3参照)(資料P11参照)。
松本会長は、DMATの撤収(13日)とお盆休みの医療ニーズ増加が重なる時期について、「最も懸念された」と回想。「熊本県医師会やJMATをはじめとする関係者の努力により、幸い大きな混乱なく乗り切ることができた」と語った。
現在は断水の解消に伴って避難所が集約され、被災地の医療機関も概ね復旧してきたことから、松本会長は「医療支援のニーズは収束してきた」と分析。それに伴い、「JMATの派遣体制の再構築が重要な課題になっている」と説明した。現地では引き続き支援が必要とした上で、「『撤収』ではなく、あくまでも需要に応じて、JMATの数を調整しながら、被災地から『もう自分たちで大丈夫』と言われるまで、派遣を続けていく」との姿勢を強調。今後は九州の医師会を中心とした支援体制へ移行し、九州以外の地域からの派遣数は絞っていく方針を示した。
松本会長は、「被災地の医療機関は診療をほぼ再開しているものの、3割以上の医療機関ではフル活動できる状態ではなく、診療制限があると聞いている」と述べた。その上で、「医療の復旧がなければ、地域の復旧もない」との考えのもとに支援金の募集を実施するとし、国などに対しても手厚い支援を強く求め、「被災地に医療を取り戻すこと」を最終目標に挙げた。
最後に松本会長は13日の千葉豪雨にも言及。「千葉県医師会は現在、管内の郡市医師会と連携して現状把握に努めていると聞いている」と述べ、支援要請があれば「直ちに対応する」との方針を示した。
(資料公表日 2026-08-19/MC plus Daily)