上野賢一郎厚生労働相は17日、「令和8年熊本地震熊本県被災地視察」後に会見を開いた。被災地では発災から約3週間が経過し、命を守る「救命救助」対応から、被災者の「生活支援・福祉支援」へとフェーズが大きく切り替わりつつあるとの認識を示した。
上野厚労相は、8月14日時点で全国から延べ1万3,000人を超える専門職が現地に入り、避難所での支援や医療機関での応援に従事しているとして「心から感謝を申し上げたい」と謝意を述べ、視察を通じて感じた「4つの課題」に取り組む姿勢を強調した。
1つ目の課題は「避難者の健康管理と感染症対策」とした。避難生活の長期化に伴い、高齢者のADL(日常生活動作)低下や認知症の進行、心のケアやリハビリの必要性が顕在化していると指摘した上で、一人ひとりのニーズをしっかりと把握し、必要に応じて医療機関や介護施設につなげるといった対応が重要であると明示した。また、厚労省として、そのための情報共有を「しっかりと応援、サポートできるよう努める」と語った。さらに、避難所の集約化に伴う感染症リスクの高まりに備え、サーベイランスを徹底し「感染症対策が行き届くように取り組む」との姿勢を示した。
2つ目の課題には「マンパワーの問題」を挙げ、定員を超える受け入れ(オーバーベッド)となっている介護施設があることや、介護職員自身が被災し思うように動けないケースもあると説明した。引き続き、介護施設などを中心に、特に福祉分野については、「全国からの応援を強く求めなければならない」との見解を示した。また、疲弊が著しい自治体職員の支援に向け、総務省など関係省庁と連携し対策を図る方針を打ち出した。
3つ目の課題としては「被災した施設およびインフラの復旧」を挙げた。被災地内の医療施設や介護施設等が従前の機能を発揮するために、災害復旧を応援する必要があると明示した。復旧には、激甚災害指定による補助率のかさ上げ措置などを活用したバックアップを講じる。断水対策では、▽通水前の加圧調査への支援▽熊本県で多い井戸の復旧支援▽代替シャワー施設設置への補助-などを実施し、インフラ面の課題を解消する方向性を示した。
4つ目の課題には「生活や生業の支援」を挙げた。現在、被災地を含む県内全てのハローワークに「特別窓口」を設置し、労働者や事業主の相談に応じているほか、雇用調整助成金の災害特例措置について早期実施に向けた検討を進めていると説明。加えて、当座の生活費を貸し付ける「緊急小口資金」の特例措置についても、速やかに受付を開始できるよう準備を進めているとした。
上野厚労相は、高市早苗首相から「できることはすべてやる」との指示を受けたことにも言及し、各省庁共通の支援パッケージにも厚労省の対応を盛り込み、県や市町村、現地対策本部と連携し対策に取り組んでいく強固な姿勢を示した。
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(資料公表日 2026-08-17/MC plus Daily)