日本医師会が22日に開いた定例記者会見で松本吉郎会長は、政府が21日に閣議決定した「骨太方針2026」を受け、医療給付費の対GDP比の数値目標導入などについて、「到底容認できない」との考えを示した。
「容認できない」としたのは、▽医療給付費の対GDP比の数値目標導入▽社会保障費(医療・年金・介護等)の対GDP比の数値目標導入▽70歳以上の高齢者の医療費窓口負担「原則3割」、外来特例の廃止-の3つ(資料P2参照)。
医療給付費および社会保障費の対GDP比の数値目標導入について松本会長は、「日本医師会として、これまでも反対を表明してきた。今後もその姿勢は変わらない」と明言した。
医療給付費の対GDP比に数値目標を導入することについては、中長期的な医療費の伸びはGDPを上回っていると指摘。今後GDPの成長が期待できるとしても、それに連動して改定率も高くなるため、すぐに医療給付費の伸びがGDPの成長以下に収まるわけではないと主張した。医療給付費の対GDP比を一定に据え置くことを目標とした場合、薬価削減などのこれまでの改革に加え、さらに毎年約5,000億円程度の削減が見込まれ、「医療崩壊を招く」と強調した(資料P3参照)。
社会保障費の対GDP比の数値目標導入については、「骨太方針2026」で掲げられた「社会保障負担率」の上昇抑制について触れ、社会保障負担率は分子の「社会保障負担の額」だけでなく、分母の「国民所得(雇用者報酬、企業所得等)」によって変わることから、年度ごとに分母と分子両者の伸び率の高低によって大きく変動すると説明。松本会長は「社会保障負担率の計算式には公費負担はほとんど含まれていない」と述べ、今伸びている税収を「特に医療に投入することが重要」と主張した(資料P3参照)。
後期高齢者の窓口負担割合については、現在、3割負担は全体の7%で、2割負担が20%、1割負担は73%と多くを占めていると説明。松本会長は、応能負担の観点は必要であると理解を示しつつ、高齢者は複数の疾患を抱えている人や低所得者が多い点に言及し、「自助、共助、公助のバランスを図りながら物価高騰により税収が伸びる中で、低所得者の方々にもしっかり配慮し、少しずつ段階を経て進める必要がある」と述べた。また、「いきなり、一律3割負担といった議論は乱暴」と強調した。加えて、高齢者の医療費水準、受診状況、家計の状況、さらには高齢者の親を持つ家族の経済的な負担なども勘案しつつ、「丁寧な議論を進めることが重要」と訴えた(資料P7参照)。
(資料公表日 2026-07-22/MC plus Daily)