厚生労働省は6月22日、2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会を開き、40年に向けた看護職員に求められる資質について議論した。
事務局は、前回の会合で意見をまとめるよう要望があったことを受け、40年に向けた看護職員に求められる資質を巡る同検討会での意見を、▽基本的な資質を検討するに当たっての意見▽看護職に求められる基本的な資質に関する意見-に大別して紹介した(資料P1参照)。
基本的な資質の検討については、▽臨地実習の時点、卒業の時点、新人看護研修の時点等段階的に考えていく必要がある▽看護職員の背景は多種多様で、1つの同じ資質というところにまとめていくことは非常に困難▽人材の裾野を広げ、本人の能力や役割分担に応じたキャリアパスの構築・キャリアアップを支援すべき▽地域偏在の是正の議論や、医療提供体制の在り方とセットで議論すべき▽長期にわたって働き続けられる環境整備が求められる-といった意見があった(資料P1参照)。
事務局はこれを受け、看護職に求められる基本的な資質について、(1)コミュニケーション能力、対人能力(2)ジェネラリストとしての能力(3)患者の状態の変化に対応し、自律的に判断する能力(4)疾病予防、重症化予防のため先手を打つ力(5)地域包括ケアを担う能力(在宅・生活の理解)(6)多職種と連携・共働する力(7)AI、ICT技術を活用する能力(8)管理、マネジメント力(9)専門職として役割を見極め、果たす力-に分けて意見を整理した(資料P1参照)。例えば、(3)では、▽看護師免許を与える時点で、訪問看護を含めたどのような場でも、ある程度自分で判断し、基本的なニーズに対応すべきであり、自身で判断できる看護師を養成しなければ地域医療は成り立たず、国民のニーズには応えられない▽事前に状態変化を想定し、即座に判断・対応できる力が重要-といった意見があった(資料P3参照)。
事務局の説明に、秋山智弥構成員(日本看護協会会長)は「まずは資質について合意した上で、その資質を基礎教育、新人教育、その後の研修でどう段階的に習得していくべきかを順番に検討する必要がある」と進め方について指摘。「免許取得前の養成の在り方についての議論なしに新人看護職員研修についての議論はできない」と述べた。
また「構成員の中で共通していた意見は、単なる重要性の認識ではなく、40年に向けて看護職員の資質を引き上げる必要があるという現実的な必要性の認識だった」と述べ、資料に記載を求めた。その上で、「看護師に普遍的に求められる基本的な資質を明示した上で、40年に向かう社会や医療全体の変化に対比させながら、強化すべき資質、新たに追加すべき資質などを整理していただくとわかりやすくなる」と提言した。
園田孝志構成員(日本病院会副会長)は「最近病院団体でも、看護職員の確保ならびに養成に関する話し合いが持たれている」と紹介した。その上で「看護職員の不足や養成所への志望者については大変危機感が強く、『まず数的な確保を図るべき』との意見もある。また質の向上を目指すあまりにそのことが数的な減少につながらないかを危惧する声もある」と懸念を示した。
事務局が整理した9つの資質については「看護師資格取得の最初の段階だけで身につくものではなく、生涯にわたって必要となる一生の課題」と述べた。「基本的な考えとして、学校での座学も当然大切だが、資格取得後の研修や実践を通じて、それを繰り返すことで成長していくもの」との見解を示した。
春山早苗座長代理(自治医科大学看護学部教授)は「すでに求められている能力というところ、整理されているものがある。そのあたりをベースに何が足りない、何が足りているという話をした方が建設的」と提言した。
(資料公表日 2026-06-22/MC plus Daily)