第二次岩月体制が始動、目指すは「現場対応力を高められる執行部」

日薬 第108会定時総会で30人の理事候補者全員選任

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日本薬剤師会は6月27・28日の第108回定時総会で、令和7年度決算を承認するとともに役員改選を実施し、3月の臨時総会で信任された岩月進会長と副会長5人を含む理事30人による新たな執行部を固めた。人口減少・超高齢化やDXの進展で環境の変化が加速するなか、岩月会長は「世の中の変化が思っている以上に速い」と強い危機感を示しており、課題にすばやく対応できる薬剤師会への改革を目指している。「現場対応力を高められる執行部」と位置付ける第二次岩月体制の動きに注目が集まる。
岩月会長は会長演述で、指定濫用防止薬の販売厳格化、要指導薬での実質的な特定販売の導入、来年から順次始まる医薬品の遠隔管理販売、調剤業務の一部外部委託といった薬機法改正への対応、OTC類似薬の保険給付見直しへの対応に加え、デジタル技術の急速な進化によって規制緩和や効率化が進んでいる状況をポイントとして挙げた。そのうえで、「この流れに薬剤師はただ反対を唱えるのではなく、国民や患者に対して継続的に医薬品の適正使用と安全確保が担保されるよう、薬剤師職能を前面に打ち出して主張していかなければならない」と訴えた。
さらに、地域の課題を解決する担い手は住民に最も身近な薬剤師・薬剤師会であるとして、「千差万別の地域の状況を間近に見て、その課題や解決策を模索し実行に移すのは紛れもなく地域薬剤師会に所属する薬剤師一人ひとり。そして都道府県薬剤師会や日薬は、三層構造の枠組みの下で地域の薬剤師をバックアップしていかなければならない」と述べ、地域の医薬品提供体制の強化を柱に、薬剤師が一丸となって行動するよう改めて呼びかけた。二期目を前に「厳しい舵取りが続く」との見通しを示し、あえて「今後、耳の痛いことを申し上げる機会もあるかもしれない」と前置きするなど、変化の激しい時代に対応するには相当の覚悟と組織改革が必要だとの認識に立った会の運営に、理解と協力を求めた。
この方針のもとで発足した新執行部は、6人の新任を含む理事候補者30人全員が代議員の投票で賛成多数により選ばれ、その後の臨時理事会での互選を経て会長・副会長と常務理事が決まった。森昌平氏の役員引退に伴い、予定どおり前常務理事の豊見敦氏が副会長に昇格した。常務理事は、長津雅則氏が退任し、富永孝治氏が理事に退いた一方、小林百代氏(東京・57歳)、井深宏和氏(岐阜・56歳)、舟越亮寛氏(千葉・49歳)と、新任の川邉祐子氏(愛知県薬剤師会会長・61歳)、犬伏洋夫氏(東京都薬常務理事・49歳)、飯島裕也氏(上田薬剤師会常務理事・46歳)が加わり、3人増の14人となった。
このほかの新任理事は、福森一真氏(宮崎県薬専務理事・51歳)、杉浦丈仁氏(大阪府薬理事・44歳)、外部理事の内藤隆文氏(信州大学医学部付属病院薬剤部長・51歳)。執行部の平均年齢は55.5歳で前期と変わらず、女性理事は前執行部より1人増えて8人となった。
臨時理事会の後に開かれた記者会見で岩月会長は、地域のバランスなどにも配慮したとしたうえで、「2年間活動し、さらに自身の意見を持っている人、薬剤師はこうあるべきといった話をしていただける方を中心に選ばせていただいた」と説明した。1期目の2年間で会内の風通しがよくなった手応えがある一方、「世の中の変化が思っている以上に速く、目の前の課題を片付けるまでに次の課題が出てくるというような状況が続いており、なるべく現場で判断して対応するようにしなければ(対応が)前に進みにくいと思っている。そうした意味で『現場対応力を高めていける執行部』として組閣をしたつもり」と語った。
■一定数の不信任票は「『もっとしっかり仕事しろ』という声援」
今回の執行部人事で話題となったのは、地元県薬への会費未納問題で一部から強い反発が出たため2年前の選挙直前に候補から外れた飯島氏が、改めて候補者名簿に載り、無事に選任されたことだ。
会見でこの点について問われた岩月会長は、会長の立場で特定の理事だけに言及すべきではないと断ったうえで、「薬剤師のため国民・患者のためというポリシーを持って会務を進める、ということを全員で協議し、コンセンサスを充分得てから進めるということは基本だが、今の時代は突発的に何か起こった時にどう対応するのか、という力が求められていると思う。そういった力を結集したいと思って(理事を)お願いしたのであり、そのなかの1人がたまたま飯島氏だったと理解いただきたい」と答えた。
執行部入りにあたり飯島氏は、「日薬理事に就いたとしても現場の薬剤師であることは変わらない。日頃から地域住民、患者・国民の声に耳を傾け、日薬が社会から信頼される価値ある職能団体になるよう尽力したい」とコメントした。会費問題がまだ解決していないことについては自身の努力不足を認め、「所属する県薬会長とは前向きに話を進めているなか、今後解決していこうと思っている。(投票で不信任と思う候補者がある場合につける)×印はほとんど私が原因と思っているところなので、そこは真摯に受け止めて前向きに解決していきたいと思っている」と述べた。
選挙では、有効投票148票のうち理事候補者全員を承認したものが79票で過半数に達したものの、個別の候補者に×印をつけたものも64票あった。
この結果について岩月会長は、「『もっとしっかり仕事をしろ』という声援だと受け止めている」と語った。今後の活動については、「これからOTC類似薬の負担変更や外部委託が実際に始まるといったことが実際に起き、何が問題なのかということもやっていかなければならない。現場解決や現場対応力が重要になってくる」と述べ、新任を中心とした役員一人ひとりの対応力に改めて期待を示した。
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