上野賢一郎厚生労働相は、7月31日の会見で、従来の健康保険証の暫定的な利用措置が同日で終了することを受け、8月以降のマイナ保険証または資格確認書を基本とする受診体制への移行に向けた見解を述べた。また、熊本地震被災地での医療提供対応や、パブリックコメントで多数の反対意見が寄せられた高額療養費制度の上限額引き上げについても説明を行った。
厚労省によると、6月末時点のマイナンバーカード保有者数は約1億386万人、マイナ保険証の利用登録者数は約9,487万人に上り、5月時点での利用率は68.52%となっている。上野厚労相は、暫定措置の終了後も国民が医療機関を円滑に受診できるよう、リーフレットの配布やSNS、福祉関係団体などを通じた周知に取り組んできたことを強調。「8月以降はマイナ保険証か資格確認書を持参しての受診になるため、いずれかがお手元にあり、お使いいただける状況となっているか、いま一度ご確認いただきたい」と国民に呼びかけた。
また、熊本地震の被災地への対応については、マイナ保険証や資格確認書を持参できない場合でも保険診療を受診可能とする措置を講じているとし、引き続き被災者への医療提供に万全を期す方針を示した。
一方、高額療養費制度の引き上げに関する政省令案に多数の反対意見が寄せられている点について問われると、上野厚労相は「特に追加でご負担をいただく短期療養の方を中心に、様々な意見があることは承知している」とした上で、制度を将来に引き継ぐための持続可能性確保の観点から、専門委員会の総意も踏まえて見直しを行う意義を改めて強調した。
同制度の見直しでは、▽短期療養者の上限額引き上げ▽年間上限の創設による長期療養者・低所得者のセーフティネット強化-などが図られる。具体例として、年収約370万円から770万円(中低所得層)の月額上限額は、従来の80,100円から85,800円へと引き上げられる。
上野厚労相は、多数回該当や年間上限の創設によって負担が下がるケースもあるため、単純な負担増減の対象人数を示すことは困難であると説明しつつ、「今回の見直しの趣旨や内容について、引き続き分かりやすく丁寧に説明を重ねていきたい」と述べ、国民の理解獲得に向けた取り組みを進める意向を示した。
上野大臣会見概要(7/31)《厚生労働省》