厚生労働省の「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会」は8月5日、2027年3月から始まるOTC類似薬の一部保険外療養で追加負担の対象となる効能・効果や、追加負担を求めない患者の範囲等についての中間とりまとめを行った。
一部保険外療養では、OTC医薬品と成分、投与経路が同一で一日最大用量が異ならない代替性が特に高い医療用医薬品(=OTC類似薬)を追加負担(薬剤費の1/4)の対象とする。ただ、OTC医薬品と医療用医薬品では同一成分であっても効能・効果が一致しない場合がある。
そこで検討会は対象医薬品をOTC医薬品の効能・効果との対応状況に応じ、▽効能・効果が対応すると整理される場合(疾患名または症状等として対応している場合)/追加負担の対象とする▽効能・効果が対応しないと整理される場合/追加負担の対象外とする―に類型化し、リスト(別途の負担の対象となる各成分ごとの効能・効果の一覧)を作成した。
例えば抗アレルギー薬の「フェキソフェナジン塩酸塩」の場合、OTC医薬品の効能・効果に対応するアレルギー性鼻炎での処方は追加負担の対象とするが、それ以外の蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒での処方は対象外とする。
追加負担を求めない、がん患者や難病患者、入院患者、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える者―などのより具体的な範囲も検討。このうち、がん患者については「がんの治療中に、がんやその治療に関連して生じた状態」に対する使用は追加負担の対象外とするが、それ以外のがんと関連ない症状は追加負担の対象とする。難病や国の公費負担医療の受給者も同様の取り扱いとし、難病や公費負担と関連ない症状は追加負担の対象とする。
年間概ね50週超処方の内服薬は追加負担対象外、外用薬は一部経過措置を設定
長期使用は内服薬と外用薬で対応を分けた。内服薬で追加負担の対象外となるのは、▽年間処方日数が概ね50週の場合(診療情報提供書、薬剤情報、お薬手帳、オンライン資格確認による薬剤情報等で過去の診療経過や処方歴を確認)▽過去の処方歴等は確認できないが、初診から6カ月にわたる使用が確認され、通年での使用(直近の実績を含め少なくとも50週の継続)が医療上必要だと医師が認めている場合―とする。
外用薬は、長期使用にエビデンスがある場合(アトピー性皮膚炎のヘパリン類似物質と尿素等)を除き、追加負担の対象とする。ただし、鎮痛消炎剤の外用薬と皮膚保湿剤・皮膚保護剤・角化症治療剤は一定の重症患者への長期使用実態があることを踏まえた経過措置を設ける。
具体的には、▽鎮痛消炎剤の外用薬/画像診断等で慢性かつ重度の疾患(例えば変形性膝関節症におけるKellgren―Lawrence分類のグレード4)であることが客観的に確認され、医師が年間を通じた疼痛管理として継続使用が医療上必要と判断し、毎日の使用を指示して処方する場合▽アトピー性皮膚炎以外の皮膚疾患への皮膚保湿剤・皮膚保護剤・角化症治療剤の使用/外用薬だけでなく、免疫抑制剤等による全身療法を併用した治療歴(例えば直近1年以内)がある場合―は、28年度末までに限り、追加負担の対象外とする。
このほか、▽入院中(退院時を含む)の使用▽外来での侵襲の高い検査・処置等に伴う14日分までの使用(抜歯直後や皮膚生検後の鎮痛薬の処方等)―などは追加負担の対象外とする。
26年8月時点の対象医薬品は77成分・1,042品目
今後の議論は社会保障審議会・医療保険部会と中央社会保険医療協議会に引き継がれ、26年秋頃の最終とりまとめを目指す。なお、当初77成分・約1,100品目とされていた対象医薬品数は、1成分の薬価からの削除とスイッチOTC化に伴う1成分の追加の結果、26年8月時点で77成分・1,042品目となった。