注目! [改定情報] 障害福祉報酬改定でヒアリング、地域障害福祉構想の構築が急務

障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第61回 8/3)《厚生労働省》

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厚生労働省は3日に「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」を開催した。検討会では、6回目となる関係団体ヒアリングを実施し、日本重症心身障害福祉協会、日本医師会などが、2027年度障害福祉サービス等報酬改定に関する意見を提示した。
 
日本重症心身障害福祉協会は、療養介護における人員不足解消に向けた職員配置基準の抜本的な見直しや、個別ニーズに対応する加算措置を求めた。また、利用者の日中活動の幅を広げ、地域移行を見据えた体験ができるよう、療養介護と他の日中活動系サービス(生活介護等)との併用を柔軟に認めるよう主張。設備・資金面では、ICT機器や介護ロボット導入費用の補助充実、さらには物価・人件費の高騰で困難となっている老朽化施設の建替えや改修に向けた、施設整備費の拡充も必要だとした。加えて、医療的ケア児への一時的な預かり支援のニーズ増を見据え、医療型短期入所(ショートステイ)事業の機能強化と制度の充実も訴えている(資料1-P3参照)。
 
日本医師会常任理事の江澤和彦氏は総論として、(1)持続可能な制度としていくための課題および対処方策、(2)人材の確保・育成・専門性向上および業務の負担軽減・効率化に向けた課題および対処方策、(3)24年度報酬改定および26年度報酬改定後における経営の状況、賃上げや物価等への対応状況、(4)過不足のないサービス提供体制の確保に向けた課題および対処方策、(5)より質の高いサービスを提供していく上での課題および対処方策・評価方法、(6)地域生活の支援や重度化・高齢化への対応、他制度との連携強化その他各分野における様々な課題への対応方策-の6つの視点を提示した。
 
(1)については、障害福祉サービス等の供給体制が需要を発生させている現況は否定できないと指摘。地域の需要を精緻に把握し、過不足のないサービスが提供できる体制「地域障害福祉構想」の構築が急務と訴えた。26年度から同構想の研究事業がスタートすることに対し、江澤氏は「期待している」と語った。また、需要の推計に当たっては、障害福祉DB・障害SCRを用いた直近の状況を勘案し、40年に向けて、随時、需要に応じたサービス提供体制の見直しが必要であると説明した(資料2-P17参照)。
 
(2)では前提に「処遇改善がある」とした上で、離職防止については好事例を共有するべきと提案。特に「身体拘束の廃止」「虐待防止」については、情勢も踏まえつつ報酬改定で推進すべきと主張した。生産性向上については、これまでも評価はされているが、ランニングコストは事業所の負担になることが多いとして「工夫が必要だ」と述べた。効率化に向けては、報酬の基準や要件について、サービスの質の担保を前提として、専従要件の緩和や兼務を認めるなどの柔軟な対応が検討課題だと指摘した(資料2-P18参照)。
 
(3)については、より精緻な経営実態の調査を求めた。これまでの調査では、同じサービスであっても調査ごとに勘定項目の数値が大きく変動するケースがあり、まずは正確な実態把握が必要だとしている。賃上げや物価高騰は基本報酬とは別立ての対応を求めるとともに、「3年間据え置きの報酬改定のままでよいのか」と問題を提起した(資料2-P19参照)。
 
この他に、質の高い相談支援の推進では、機能強化型サービス利用支援費について、「相談支援専門員の複数配置要件などストラクチャー要件が目立つ」と指摘。介護報酬における居宅介護支援の「特定事業所加算」を例に挙げ、「要介護3以上の利用者が4割以上、研修会、事例検討会を他法人と連携し実施するなどの要件が設定されている。重度者への対応や医療・介護との連携などプロセス要件を導入し、充実させていく方策もあるのではないか」と提案した(資料2-P20参照)。
 
「医療と福祉の連携」については「さらなる連携強化が求められる」と強調した。具体的には、通院が困難な障害児・者に対し、自立した日常生活を営めるよう、医師による療養上の指導・管理を行う「居宅療養管理指導」の新設を要望した。加えて、地域生活の定着を推進するためには、在宅の主治医と相談支援専門員の連携強化を図る必要があるとして、急変時における医師からの助言や情報提供を評価する「ケアマネジメント支援加算」についても新設することを求めた(資料2-P22参照)。
 
この日の会合で、厚労省は「障害福祉サービス等報酬」の名称を、今後は「障害福祉報酬」に変更することを公表した。改称の理由については、「診療報酬」や「介護報酬」と比べて名称が長く、また「等」が含まれることで、「分かりづらく世間に浸透しづらい」課題があったと説明した。次回より検討会も「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」から「障害福祉報酬改定検討チーム」へと名称変更する(資料3-P30参照)。
(資料公表日 2026-08-03/MC plus Daily)
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