厚生労働省は7月29日付で、「高額療養費制度」に関連する政省令案のパブリックコメント(意見公募)に約5,300件の意見が寄せられたことを公表した。通常の公募と比べ異例の多さとなった(資料1-P1参照)(資料2-P45参照)。
自己負担の月額上限は、基準額が2026年8月1日から所得に応じて約4-7%引き上げられ、27年8月からは26年7月末と比べ最大で約38%増加する。一方、長期療養者への配慮として、▽多数回該当の金額を据え置き▽「年間上限」の導入-などの措置が講じられた。加えて、低所得者への配慮として、住民税非課税ラインを若干上回る年収層である「年収200万円未満」の多数回該当の金額は引き下げる。
厚労省は「健康保険法施行令等の一部を改正する政令案」および「健康保険法施行規則等の一部を改正する省令案」に関するパブリックコメントを6月6日から7月5日の期間で募集し、「政令案」には約4,300件、「省令案」には約980件の意見が集まった(資料1-P1参照)(資料2-P45参照)。
意見の要旨では「高額療養費の自己負担上限額が引き上げられると、経済的な理由で治療や受診を諦める患者が増えるため、制度改正には反対」とする意見や、高額療養費制度の重要性に関する意見で「高額療養費制度は医療保険制度において最も重要。たとえ通常の窓口負担割合が上がるとしても、高額療養費制度だけは死守すべき」などの意見もあった。一方、「制度を維持するための改正案に全面的に賛成。引き続き高額療養費に限らず、医療保険制度の継続的な見直しを進めてほしい」との意見もあった(資料1-P2参照)(資料1-P6参照)(資料1-P44参照)。
厚労省は反対意見に対し、高額療養費が医療費全体の倍のスピードで伸びている現状を示し、「先送りできない課題」と説明。今回の見直しは、「制度の持続可能性の確保」「長期療養者や低所得者へのセーフティネット機能の強化」の両立を図るものであることを強調し、理解を求めた(資料1-P2参照)(資料1-P3参照)。
上野賢一郎厚労相は7月31日の記者会見で、「療養期間が短期の人にとっては追加で負担していただくことは事実」とした上で、年間上限の創設や長期療養者や低所得者へのセーフティネット機能を強化する今回の見直しの趣旨や内容について「引き続き、分かりやすく丁寧に説明を重ねていきたい」との姿勢を示した。
(資料公表日 2026-07-29/MC plus Daily)