厚生労働省は7月27日、医療機関における医療安全管理体制の整備などに関する疑義解釈資料を都道府県などに事務連絡した。関係省令の改正に対応したもので、医療事故のうち、院内の医療安全管理委員会等への報告が義務化されたA類型の考え方や、管理者等の研修受講時期などを明確化した。
医療法施行規則(省令)の改正で2026年4月から、(1)全ての病院と有床診療所、入所施設を持つ助産所に対する医療安全管理者の配置の義務化、(2)全ての病院・診療所・助産所に対する「医療に係る安全管理のための指針」の整備義務化―などが実施された。さらに29年4月からは全ての病院及び年間120件以上の全身麻酔手術・分娩を実施する有床診、分娩を実施する入所施設を持つ助産所の管理者に対し、医療事故の対応に関わる従事者に「医療事故に係る適切な対応に関する研修」を受講させ、自らも受講することが義務づけられる。
このうち(2)の指針の記載事項については関連通知で、医療安全管理委員会等に報告すべき事例の範囲にA類型の事象(患者への影響度が大きく、回避する手段が普及している12事象。手術部位の取り違えやハイアラート薬の過剰投与など)を含める必要があることや、B類型(患者への影響度が大きく、回避可能性は必ずしも高くない12事象。術中心停止や鎮静による死亡など)の事象を含めることが望ましいとされた。
疑義解釈はこのA・B類型の事故報告について、▽すでに院内で整備しているインシデント報告と同じ仕組みで報告すればよい▽A類型に該当する事例は影響度分類のレベルに関係なく、全て医療安全管理委員会等への報告対象に含める必要がある▽A類型の「ハイアラート薬の過剰投与」の「過剰」の基準は各医療機関で設定して差し支えないーことなどを示した。
病院の管理者等の研修受講は施行日前の29年3月末までに完了を
管理者及び医療事故の対応に関与する従事者の研修時期についても説明。病院及び分娩を実施している入所施設を持つ助産所は、施行日の29年4月1日に研修受講が完了していることが望ましいため、29年3月末までに研修を受講するよう指示した。
一方、1年間の全身麻酔手術または分娩のどちらか、もしくは両方の合計実施件数が120件以上の有床診については、基準に該当した翌年度末までに研修受講を終えなければならないとされている。このため28年度(28年4月から29年3月)に基準に該当した場合は、29年度末(30年3月末)までの受講完了が必須となるが、疑義解釈は、25~27年度に基準に該当している等、28年度に基準への該当が見込まれる場合については、「本研修の趣旨に鑑み、令和11年(29年)3月31日までに受講を完了させることが望ましい」との考えを示した。