注目! [医療提供体制] 決算状況調査の速報を報告、経常赤字なお高水準 全自病協

全国自治体病院協議会 記者会見(7/16)《全国自治体病院協議会》

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全国自治体病院協議会は16日、記者会見を開き、2025年度決算状況調査の結果(速報)について報告した。経常赤字割合をみると500床以上では前年度から10ポイントほど改善したものの、依然84%が赤字であり、200床以上300床未満では全て赤字だった(資料P2参照)(資料P4参照)。
 
同会の望月泉会長は、急性期大型病院で赤字割合が大きく改善した背景について「国の補正予算や物価高騰対応の補助金、設立団体からの繰入金の影響は大きい」としつつ、「一番大きいのは、大型病院、急性期病院がかなり頑張ったところにある」と述べ、各病院の自主的な改善努力と強調した。
 
会員病院の取り組みの具体例として、経営改善プロジェクトチームの設置、システムを活用した診療報酬の算定漏れ防止、ICUの受け入れ基準見直し、診療材料の標準化、バランススコアカードによる診療科ごとの目標管理、病棟師長によるベッドコントロールの徹底、救急患者を断らない受入体制の構築などを紹介した。特に救急患者の受入体制に関しては、経過観察室での短時間対応ではなく、まずは入院として受け入れ、経過を見る運用が「医療安全上も重要」との考えを示した。
 
人件費を巡っては、人事院勧告に基づくベースアップへの対応が病院間で分かれている実態も報告された。地方独立行政法人の病院の中には勧告通りに昇給を実施していない例がある一方、収益に応じて職員に特別手当を配る病院もあるなどバラつきが見られると説明した。その上で、「県庁や市役所出身の職員だけ給与が上がり、病院に来ると下がるということでは成り立たない」と述べ、公営企業の一部適用・全部適用病院は今後も勧告に沿った対応を続ける必要があるとの考えを示した。
 
同会では、今回の調査結果を踏まえ、例年11月としてきた国への要望活動を、概算要求前の8月中に前倒しして実施する方針も明らかにした。全国自治体病院開設者協議会とも連携し、総務省自治財政局長や厚生労働省医政局長との日程調整を進めていると報告した。
 
また、厚生労働省が示した地域医療構想策定ガイドラインについての見解も報告した。望月会長は、地域医療構想策定ガイドラインでは、原則として現状の2次医療圏を構想区域の基本としているが、人口が20万人を割る地域が半数を超えている現状を踏まえ、「構想区域を今の2次医療圏より広く見ていく必要がある」と指摘。個人的見解として、5疾病6事業ごとに構想区域を設定する案にも言及した。
 
望月会長は、ガイドラインが新たに示した医療機関機能にも言及した。ガイドラインでは、医療機関の役割を「急性期拠点機能」「高齢者救急・地域急性期機能」「在宅医療等連携機能」「専門等機能」の4つの機能に整理している点について、「在宅医療だけを担う病院というのは聞いたことがない」と指摘。診療所であれば在宅専門のクリニックもあるが、病院についてはそうした例がないとして、「在宅医療」は独立した医療機関機能というより、他の機能と「合わせ持つ機能」と捉えるべきではないかとの考えを示した。
 
具体的には、高齢者救急・地域急性期機能を担う病院が在宅医療と一体的に地域を支える姿が、医療介護連携の観点からもわかりやすいと述べた。また、在宅療養支援病院の病床数上限がこれまでの200床から280床まで引き上げられたことにも触れ、こうした中小病院が高齢者救急・地域急性期機能を担いながら在宅医療を支えている実態を「地域密着型の病院」と表現。4機能について「ネーミングはよろしくない」と苦言を呈し、検討会の段階からこうした議論が続いてきた経緯を踏まえ、在宅医療は4機能と並べて示すよりも、他の機能と「合わせ持つ機能として、プラス在宅医療にも取り組んでもらう、という整理になるのではないか」との見方を示した。
(『病院新聞』2026年7月23日)
(資料公表日 2026-07-16/MC plus Daily)
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