注目! [医療改革] 医療需要の変化を見据えた専門研修へ、医師専門研修部会が了承

医道審議会 医師分科会 医師専門研修部会(令和8年度第1回 7/15)《厚生労働省》

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医道審議会・医師分科会の「医師専門研修部会」が15日に開催され、2040年に向け、今後の医療需要の変化を見据えた専門医の養成について議論した。この日、厚生労働省は、学会へのアンケート調査の結果を公表し、今後の専門医の養成について、患者像の変化などを踏まえ専門研修の枠組みの中で必要な対応を検討する方針を示し、同部会は了承した(資料P17参照)。
 
今年3月18日に開催された同部会では、40年の医療需要の変化を見据え、専門研修における医師の養成の在り方を検討することが論点に挙がった。厚労省は、各基本領域学会に対して意見を聴取することを提案。具体的には、▽領域ごとに重要となる疾患や患者像▽医療需要の変化の見通し▽専門医制度における領域ごとの必要な対応▽考えられる課題-などについて、アンケート調査を行う方針を示し、同部会で了承されていた(資料P3参照)(資料P4参照)。
 
こうした背景から、26年4月から5月にかけて今後の専門医養成に関する学会アンケート調査を実施し、結果をこの日の会合で報告した。調査対象となった学会は、日本内科学会、日本外科学会など基本領域学会の19学会、日本循環器学会など内科系サブスペシャルティ学会の13学会、日本消化器外科学会など外科系サブスペシャルティ学会の6学会で、対象となった全ての学会から回答を得た(資料P6参照)。
 
調査項目は主に7項目。厚労省は調査で得られた回答を、▽患者像の変化▽専門医として求められる役割・能力▽医療提供体制の変化と専門医養成の在り方▽今後の専門医養成における課題▽その他の意見-の5つのポイントに整理した(資料P7参照)(資料P8参照)。
 
患者像の変化には、高齢化に伴い▽多疾患併存などを特徴とする患者像への移行が進み、複合的な病態を有する患者など、臓器別の診療のみでは対応困難な患者が増加▽急性期だけでなく、在宅・地域での生活支援も含めた長期的かつ包括的な管理を前提とする患者が増加-などの意見があった(資料P9参照)。
 
専門医として求められる役割・能力については、「高齢者特有の病態を理解した上で、特定の臓器・疾患領域に限定されない全身的な視点と、高度専門的な視点を併せ持つ診療能力の重要性が増す」との意見があった(資料P10参照)。
 
今後の専門医養成における課題では、▽臓器別専門医制度を前提とした養成体系では、多疾患併存患者に対応するための臓器横断的・包括的能力の育成が十分とは言えない▽医療の集約化・機能分化が進む中で、施設ごとに症例数や指導医数、教育資源に差があるなど、専門医養成の体制が医療提供体制の変化に十分対応できていない-などが指摘された(資料P12参照)。
 
調査結果を踏まえ厚労省は、今後の専門医養成について、医師の専門研修の枠組みの中で、必要な対応を検討する方向性を示した。具体的には、専門研修プログラムなどが「今後の医療需要の変化を見据えた専門医の養成」の実現に資するものとなっているか改めて確認した上で対応を検討する必要があると説明し、日本専門医機構と連携を図りつつ、今後の対応を進める方針を打ち出した(資料P17参照)。
 
牧野憲一委員(日本病院会副会長)は一部の専門領域における症例不足や、高齢化に伴う総合診療ニーズの増加に言及。専門医養成の現場と実際の医療需要に乖離が生じているとして、「このままでは需要と供給のアンバランスが拡大する」と懸念を示した。これまで同部会での議論は、医師の地域偏在の解消に重点が置かれ、診療科偏在の議論が十分ではなかったとの見解を示し、今後は必要とする領域における医師増加の方策について「議論を進めるべき」と主張した。
 
厚労省は同部会で、日本専門医機構が4月13日-5月12日に行った、専攻医など若手医師への調査結果についても報告した。臨床研修で得た知識や幅広い領域の診療能力について、維持したい、または維持することが必要だと考える医師は91.3%と9割を超えた。一方、知識や能力の維持・強化が難しいとの回答も44.5%を占め、厚労省は、「若手医師の能力向上へのニーズに対して十分対応できていない可能性がある」と分析している(資料P14参照)。
(資料公表日 2026-07-15/MC plus Daily)
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