中央社会保険医療協議会・薬価専門部会は7月8日、2027年度の薬価の中間年改定に関する議論をスタートさせた。改定対象品目の範囲や算定ルールの適用範囲が主な論点となる見通しで、支払側は通常年並みの改定の実施を要望、診療側は改定品目・算定ルールとも限定的とすることを求めている。次回は関係業界からのヒアリングを行う。
前回の25年度の中間年改定は、▽新薬創出・適応外薬解消等促進加算(現・革新的新薬薬価維持制度)、後発医薬品、長期収載品といったカテゴリ別に改定対象品目の範囲を設定▽新薬創出等加算の累積額控除(実勢価改定に連動しないルール)の適用▽安定供給確保が求められる品目を対象とした臨時の不採算品再算定―などが行われた。
支払側の佐竹陽一委員(健康保険組合連合会理事)は、改定対象品目を狭めればイノベーションの推進や安定供給の確保に充てる財源が限定される可能性があるとし、「改定対象品目の範囲を広くすることや、算定ルールは全て議論の俎上に載せてメリハリのある対応をする必要がある」と主張した。鳥潟美夏子委員(全国健康保険協会理事)は25年度改定時のカテゴリ別の改定対象範囲設定には「一定の合理性がある」と評価。算定ルールの適用範囲については、「少なくとも25年度に適用したルールの適用は最低限行われるべき」との見解を示した。
薬価引き下げ財源の一部は医療の質向上のため医療機関に還元を 診療側
診療側の江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は中間年改定について、「価格乖離の大きな品目の価格調整を行うことが基本的な役割と認識している」と強調。その上で、「(改定対象範囲は)実額や比率によってあらかじめ基準を決めるというよりも、その時々の経済状況、財政状況、医療機関・薬局の経営状況を勘案しながら幅広い視点で対応していくことが重要だ」と述べた。さらに医療の質向上を図る観点から薬価引き下げ財源の一部を医療機関に還元することや、品目ごとの供給状況を勘案して改定対象範囲を決定することなどについての検討を求めた。
渡邊大記委員(日本薬剤師会副会長)は、市場実勢価との価格乖離が大きな品目のみを改定対象とし、実勢価改定と連動するルールのみの適用を要請。不採算品再算定の実施については、物価上昇などにより流通コストが増大している点への配慮が必要だと指摘した。
この日の部会及び総会では、27年度薬価改定の基礎資料となる薬価調査の実施案が了承された。前回の中間年改定時の調査と同様、医薬品卸売販売業者は2/3、医療機関は病院1/30、診療所1/400、薬局は1/120の抽出率で抽出した調査客体を対象とし、26年度中の1カ月間(例年は9月)の取引分について品目ごとの販売・購入価格や販売・購入数量などを把握する。調査結果の速報値は例年、12月上旬に総会に報告される。