自民党、日本維新の会の「社会保障制度改革協議体」は7日、連立政権合意書に盛り込まれた13項目の社会保障改革の具体的な骨子について合意した。骨子の内容・趣旨は「骨太の方針2026」に反映される。具体的な制度設計は26年度中に行うとしており、両党は、引き続き社会保障制度改革協議体で「真摯な協議を継続する」としている(資料P1参照)。
医療・介護分野における保険者の権限および機能の強化、都道府県の役割強化の具体策として、▽保険者の再編統合▽医療介護保険システムの全国統合プラットフォームの構築▽介護保険サービスに係る基盤整備の責任主体を都道府県とする-などを挙げた。また、「効果が乏しいというエビデンスがあることが指摘されている医療」などについて、データに基づいて保険者機能がより発揮できる環境整備を進める(資料P2参照)。
データに基づく客観的かつ合理的な診療報酬決定プロセスを確立するために、中央社会保険医療協議会の機能を見直す方向性を明記。具体的には、病院機能の強化の観点から、各種医療機能を適切に反映し、委員構成の見直しを含めた検討を行う。また創薬機能の強化の観点から、26年度末までに社会保険医療協議会法の改正を含め、製薬、医療機器および卸等の産業界の法令上の位置づけを明確化する。加えて、患者の声やデータに基づく制度設計の観点から、「情報分析体制の強化」「医療経済系学会からの直接的な技術評価提案」を可能とする制度設計を検討する方針を示した(資料P3参照)。
人口減少により患者数が構造的に減少する地域においても、限られた人員・人材で質の高い医療・介護サービスを持続的に提供可能な体制の構築を図るため、現場の生産性向上の取り組みを加速するほか、職員配置基準の一層の柔軟化とともに、「アウトカム評価」の充実と併せ、地域における提供体制の維持、予防・健康管理、在宅医療、介護との連携などの評価の観点も含め、外来の包括報酬の在り方を検討するとした(資料P3参照)(資料P4参照)。
また、救急医療、高度急性期医療、難病・先進医療などを担う病院の経営安定化と従事者の処遇改善を図るための効果検証を行い、それを踏まえた医療機関機能に応じた診療報酬体系へと「抜本的な見直し」を行うと明示した(資料P5参照)。
医療法人の経営基盤強化では、医療機関の公益性を保ちつつ、経営安定化や地域課題解決に資する事業範囲の拡充につながるよう医療機関の営利事業(附帯業務、附随業務等)に関する現行規制を見直す。具体的には、医療機関が保有する医学的知見や人材を活かし、地域の患者・住民の多様なニーズに寄り添ったサービスを幅広く提供する事業を新たな収益源として位置づけられるよう、資金調達手段の多角化を促進するため、事業範囲の拡充を整理し、制度改正に向けた検討を進める(資料P6参照)。
高度医療機器や設備更新、医療DX投資を行う際の控除対象外消費税の負担が一時的に大きくなることへの対応策(補助金、診療報酬および税制上の措置など)は、26年度末までに結論を得るとした。特に、新たな地域医療構想の将来需要を踏まえ、地域に不可欠な施設の建て替えや改修が計画的に進むよう、必要な支援の在り方を検討する方針を明示した(資料P6参照)。
このほか骨子には、現役世代の保険料負担抑制に向けた保険財政の健全化策や、年齢によらない医療費窓口負担(応能負担)の実現、「高齢者」の定義見直しなども盛り込まれた。さらに、公的保険を補完する民間保険の活用検討や大学病院機能の強化、第3号被保険者制度の見直し、医療の費用対効果分析に係る指標の確立などについても改革の方向性が示されている。
(資料公表日 2026-07-07/MC plus Daily)