中央社会保険医療協議会・薬価専門部会が8日に開催され、2027年度薬価改定の実施を前提に、改定の対象品目の範囲や適用ルールの在り方に関する議論を開始した。
25年12月26日の中医協において、「大臣折衝事項」に基づき27年度薬価改定を「着実に実施する」ことが了承された。薬価改定に当たり、対象品目の範囲や適用される各種ルールの在り方は、▽創薬イノベーションの推進▽医薬品の安定供給の確保▽現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減-について「バランス良く対応する」ことを基本的な考え方とした(資料P3参照)(資料P10参照)。
江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、中間年改定は通常改定とは異なり「薬価改定を行うとしても、2016年の四大臣合意に基づき価格乖離の大きな品目について価格調整することが基本的な役割」と、その位置付けを改めて示した。対象範囲には様々な意見があるとしつつ、実勢価格あるいは乖離率によってあらかじめ基準を設定するよりも、「その時々の経済状況、財政状況、医療機関・薬局の経営状況などを勘案しながら幅広い視点で対応することが重要」と指摘した。医薬品の安定供給は一向に改善されず、品目によってはいまだに医療現場に納入されていない薬がある中で、安定供給できている品目までも薬価改定実施の影響で供給が悪化しては「意味がない」と主張。医療機関・薬局の状況と品目ごとの供給状況を勘案した上で対象品目を検討する必要性を訴えた。
佐竹陽一委員(健康保険組合連合会理事)は、公的医療保険制度の持続可能性を前提として、改定の対象範囲を狭くする、あるいは一律の対応にすることで「イノベーションの推進や安定供給に充てる財源が限定的になる可能性がある」と懸念を示した。改定の対象品目を広くすること、適用ルールについては限定せず、全て議論の俎上に載せ、「メリハリのある対応が必要」と指摘した。
また、厚労省が今後の検討に当たり関係業界から意見聴取を行って議論を深める方針を示すと、多数の委員がこれに賛同した(資料P10参照)。
永井幸子委員(日本労働組合総連合会総合政策推進局長)は、「これまでの薬価改定の影響も含め関係業界から幅広く意見を聴取しながら議論を進めることが重要」と述べた。特に、物価高騰や人件費の上昇など医薬品を取り巻く環境は大きく変化しているとして、医薬品の安定供給や製造・流通に与える影響について十分に把握した上で検討を進めるよう求めた。
(資料公表日 2026-07-08/MC plus Daily)