厚生労働省の「精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会」が6日に開催され、精神科の外来医療をテーマに議論した。議論に先立ち、小阪和誠構成員(日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構代表理事)が「精神科外来診療の良質化に関する論点整理」について発言し、「精神科外来診療における『良質さ』とは何か」という課題を提起した(資料1-P1参照)。
厚労省は、精神科の外来医療の現状について説明。精神通院医療(自立支援医療)のレセプト件数は2023年に全体で4,229万件、公費負担額は2,704億円となり、いずれも年々増加傾向を示している(資料2-P24参照)。さらに、医科・調剤・訪問看護の公費負担額の年次推移では、医科・調剤は横ばいで推移しているが、訪問看護は13年以降増加し続け、24年には13年と比べて約10倍の公費負担額となっている(資料2-P27参照)。
また、精神通院医療の支給認定申請および制度運用に関与している精神保健福祉センターへの調査では、回答のあったセンターのうち、疑義や違和感のある申請が「増加していると感じる」との回答が51.6%を占め、「変わらない・減っているように感じる」と回答した37.5%を上回ったと報告された(資料2-P31参照)。調査によると、精神通院医療の対象範囲に該当するか不明確な申請や、認知症、軽度認知障害、知的障害、高次脳機能障害、不眠症、適応障害、てんかんなどについて、精神症状の記載が乏しい、または主たる精神障害としての妥当性が不明確なまま申請される事例が挙げられているという。
厚労省は、精神科訪問看護を含む精神科の外来医療のレセプト分析などを行い、精神科訪問看護の急増の要因やサービス提供の実態にも着目しつつ、質の高い外来医療を目指すことを論点に挙げた(資料2-P36参照)。
上田容子構成員(日本精神神経科診療所協会事務局長・副会長)は急激に伸びている訪問看護について、訪問看護の目的は服薬の確認・指導や見守り、バイタルチェックなどだが、「訪問看護の目的や対象が拡大していることは否めない。様々な重症度の患者が混在している印象を受けている」と指摘した。
松本珠実構成員(日本看護協会常任理事)は、厚労省が論点で示したレセプト分析について、精神科外来および精神科訪問看護の患者構造を把握し、適切な公費負担の仕組みを構築する上で非常に重要だとして推進することを求めた。加えて、精神科訪問看護においては、外来通院の継続状況や再入院率、身体疾患の管理・改善状況などとの関連についても分析するよう要請した。
小阪和誠構成員(日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構代表理事)は医療、福祉、患者に関する関係者が集まっている同検討会で「様々な観点から質の高い精神科外来診療の在り方」について整理する議論の機会があってもよいのではないかと意見を述べた。
(資料公表日 2026-07-06/MC plus Daily)