厚生労働省は3日、2040年に向けた地域医療構想を都道府県が策定する際のガイドライン(GL)を公表した。厚労省は40年とその先を見据え、「全ての地域・全ての世代の患者が、適切に医療・介護を受けながら生活し、必要に応じて入院して、日常生活に戻ることができ、同時に、医療従事者も持続可能な働き方を確保できる医療提供体制の構築に向けた取り組みを進める」と新たな地域医療構想の目指すべき方向性を示した(資料P1参照)(資料P2参照)。
GLは、都道府県が新たな地域医療構想を策定および推進するに当たり、具体的な検討や実務上の判断を行いやすくするため、「基本的な考え方」「策定」「推進」の3つの観点で整理している(資料P3参照)。
基本的な考え方では、構想区域や、地域医療構想調整会議などについて記載。構想区域における二次医療圏の半数近くが人口20万人以下になっていることを指摘し、人口動態、医療資源、医療へのアクセスなどを踏まえ、地域の医療関係者が実効的な協議をするために適当な単位として、現在の構想区域の広域化などを検討する必要性を盛り込んだ(資料P10参照)。また、▽都道府県▽市町村▽医療関係者▽医療保険者▽介護関係者▽地域医療構想アドバイザー-などの各関係者に期待する役割について具体的に記載した(資料P11参照)(資料P12参照)(資料P13参照)。
地域医療構想の策定に当たり、医療機関は、地域における医療機関機能を都道府県知事に報告することが義務づけられている。26年度医療機関機能報告の報告項目は、「築年数・構造」や「診療科別医師数」などの構造設備・人員配置に関する項目の他、▽救急医療の提供状況▽手術実績▽高齢者等への医療の提供状況-などが含まれている(資料P25参照)(資料P26参照)。
GLでは、報告を行う医療機関機能は、「診療報酬上の入院料の種類のみを考慮し機械的に決定されるものではない」と明記した。診療報酬上の入院料を目安に協議することは考えられるが、「特定の診療報酬項目の届出の有無を各医療機関機能の必要条件や十分条件のように取り扱うことは適切ではない」とし、地域における診療実態を総合的に検討して協議することを求めている(資料P25参照)。
在宅医療等連携機能については、高齢者救急・地域急性期機能や急性期拠点機能を担う医療機関が、在宅医療や在宅医療の後方支援を担う場合、複数の医療機関機能を報告することは「差し支えない」とした。ただし、医療機関間の役割分担を明確化するため、在宅療養中の患者の緊急入院を受け入れ可能な医療機関が全て在宅医療等連携機能を報告することは、「趣旨にそぐわない」との考え方を示した(資料P25参照)。
また、高齢者救急・地域急性期機能と急性期拠点機能については、医療資源を多く要する医療や高齢者救急の役割分担を明確化するためのものであり、「両機能を一つの医療機関が報告することはしない」と明示した(資料P25参照)。
地域医療構想の推進では、「40年に向けた取組の推進」「地域医療構想と医療計画の関係」「精神医療に関する地域医療構想」について説明。推進に当たっては、結果(アウトプット)が、成果(アウトカム)に対してどれだけの影響(インパクト)をもたらしたかという関連性を図式化したロジックモデルなどを活用することを提案。ロジックモデルの活用などで、課題と取り組み、成果の関係を整理することが重要だと指摘している(資料P77参照)(資料P78参照)。
地域医療構想は、人口構造や将来推計人口、医療需要、医療資源などを踏まえて策定するもの。40年に向けては、人口動態や医療需要だけでなく、医療従事者の確保、医療機関の経営、介護資源などの状況変化を見込んでいる。そのため、一度策定した構想を固定的に運用するのではなく、地域の実情の変化や取り組みの進捗状況を踏まえ、必要に応じて見直すべきだと示した(資料P80参照)。
(資料公表日 2026-07-03/MC plus Daily)