養成体制や労働環境を職種横断的に検討

少子高齢化の二重圧力下での安定養成・確保へ

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厚生労働省は「医療関係職種の安定的な養成・確保に関する検討会」を立ち上げた。85歳以上を中心とした医療需要の拡大と少子化による担い手不足が同時進行するなか、養成体制の整備から働く環境の改善まで職種横断的に検討を進めていく。
■養成現場では定員充足率が5~6割となる職種も
2040年に向け、医療・介護の複合ニーズを抱える85歳以上の高齢人口は増加が続く。高齢者救急や在宅医療の需要が膨らむ見込みだが、地域類型別に見ると、大都市型では25年から40年にかけて高齢人口が17.2%増加するものの、過疎地域型では12.2%減少するなど、地域ごとに課題は異なる。生産年齢人口はほぼすべての地域で減少するが、地域で求められる医療提供体制のあり方はそれぞれ異なったものとなる。
 
一方、需要面から推計した医療・福祉分野の就業者は18年の826万人(全就業者の12%)から40 年には1,070万人程度(同18~20%程度)が必要とされる。就業者全体が大きく減少するなか、地域で必要な医療が持続的に提供される体制を整備するためには、医療関係職種の安定的な養成・確保が急務となる。
人材需要の拡大とは対照的に、養成現場では定員充足率の低下が顕著だ(図表1)。多くの職種で大学・専門学校ともに低下傾向が続き、24年度入学者数における定員充足率は看護師89.6%、理学療法士87.8%、言語聴覚士72.9%、作業療法士66.5%などで、臨床工学技士は57.0%まで落ち込んでいる。
また、看護師養成では専門学校(3年課程)卒業生の都道府県内就業率は平均80.1%であるのに対し、大学(3年課程)は58.2%と、養成形態により地域定着率に差が見られる。
大学進学者数は26年度以降に減少局面へ入ると予測されており、21年と比べた40年の18歳人口は全国で35.2%減との見通しにある。
■「なり手」の確保と中長期的減少にも対応を
検討会では4つの主な論点が示されている。まずは、若者・社会人等の「なり手」の確保と、中長期的な減少にも対応できる持続的な養成体制の整備が必要で、多様な人材が参入しやすい養成課程・環境の実現も求められる。養成校・職場の各段階では資質の向上を図りつつ、職場・地域への定着につなげる方策が必要になる。長い職業人生を通じ、意欲・能力等に応じてキャリア・スキルの向上が図られ、ライフコースに応じて働き続けられる環境の整備も重要だ。各地域では医療関係職種の需給状況や確保にかかる課題を把握・共有しながら、計画的に取り組みを進める推進体制の枠組みが求められ、国との役割分担も踏まえた対応が問われる。
検討にあたっては、職種に共通する課題について、養成・医療現場や地域・行政の関係者が一体となり取り組む方向性を示すとしている。

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