Q. こども性暴力防止法について教えてください。
令和8年12月に施行が予定されている「こども性暴力防止法」とはどのような法律でしょうか。
A. 学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(通称:こども性暴力防止法)とは、教育・保育を提供する事業者に対し、従業員等の性犯罪歴の確認や性暴力防止のための体制整備を求めることで、こどもへの性暴力を未然に防止し、こどもの安全・安心な環境を確保することを目的とした法律です。
■こども性暴力防止法の対象となる主な事業者
学校(幼稚園、小中高など)や認可保育所などは、公立・私立を問わず全ての施設や事業者が対象となります。放課後児童クラブや学習塾といった事業者は、 こども家庭庁に申請し、認定を受けた場合に法律の対象となります。認定は任意ですが、国が認定した事業者は、こども家庭庁のウェブサイト上で公表され、どの事業者が認定を受けているか確認できるようになります。また「認定事業者マーク(こまもろうマーク)」を広告などに使えるようになり、性暴力防止の取組をしている事業者が一目で分かるようになります。
■こども性暴力防止法の対象事業主に求められる主な対応
制度の開始後、対象事業者には、次の対応が求められます。
①安全確保措置
こどもへの性暴力の未然防止・早期発見・調査/保護/支援を行う。
②性犯罪歴の確認
こどもと接する業務の従事者について、性犯罪歴の有無についての確認を行う。
勤務形態に関わらず、こどもと継続的に接する従事者が確認対象。新規採用者等については原則として従事開始前までに実施し、既存の従事者についても一定期間内での確認が求められる。
③防止措置
従事者によるこどもへの性暴力が行われる「おそれ」があると認められる場合、その従事者を教育・保育などの業務に従事させないなどの措置が必要となる。
④情報管理措置
犯罪事実確認を通じて入手した従事者の情報は、性犯罪歴という取扱いに細心の注意が必要な情報になり、漏えいさせた場合に深刻な人権侵害にもつながり得るため、適切な管理・廃棄など、厳格な情報管理が求められる。
■こども性暴力防止法の対象事業者が行うべき定期報告
事業者は、それぞれの措置の実施状況について、定期的にこども家庭庁に報告を行う必要があります。また、こども家庭庁への報告とは別に、各施設・事業の所轄庁から報告を求められることもあります。
*義務対象事業者の場合:毎年4月末日時点の状況を確認、5月末日までにこども家庭庁へ報告。
→初回の報告は令和10年5月末日までに行うとされています。 このため義務対象事業者は、令和8年12月25日から令和10年4月末日までの状況を報告する必要があります。
*認定対象事業者の場合:認定日から1年後の前日までに初回報告、以降は毎年1回報告。
本年12月の法施行に向け、対象事業者にはこどもの安全を確保するための体制整備が求められます。情報管理や定期報告も含め、継続的な運用体制の構築が必要です。
(2026年7月編集/社会保険労務士法人日本経営)