東京都薬剤師会は薬局経営にも中東情勢による影響が指摘される状況を受け、調剤資材の供給に関する緊急実態調査に着手した。現在、分包紙や軟膏容器、薬袋用ビニールなど一部調剤資材の「供給制限」や「納期遅延」が発生しており、都薬では「必要以上の買い込みは結果として地域全体の供給不安定化につながる可能性がある」と過度な反応が混乱を招くことを警戒しながらも、まずは現場の実態を正確に把握することが重要と強調し、日本薬剤師会や関係行政機関に現状を伝える方針にあり、会員薬局には冷静に状況を共有した上で可能な範囲の工夫や薬局業務の見直しを求めている。
中東情勢によるナフサ不足に端を発した薬局経営への影響は、「分包紙不足に調剤方法の変更」や「分包機インクリボン不足による運用制限」、さらに「軟膏容器不足による調剤継続への不安」、「薬袋・ビニール袋不足による患者対応の変更」などに及んでいる。そこで調査では「業務上不足している資材」を質問し、分包紙などのほか投薬瓶や手帳のシール等のラベル関係、シリンジ、手袋をあげて実態を探る。
また、実際に現場で発生した具体的な事例についても調査し、選択肢として「分包を避ける調剤上の工夫をした」、「分包紙幅の設定を短くした」、「軟膏ツボの不足により処方変更または容器サイズを変更した」など業務上の工夫や、「患者説明が増えた」、「医師への疑義照会が増えた」、「患者に処方通り調剤が出来ない旨を相談した」などの対応に加え、一包化調剤を断念・縮小したり、スタッフの負担増、医療安全への不安、患者からのクレーム・ハラスメントといったケースを想定して詳細な実態の把握に取組む構えにある。
今後懸念されることでは、「調剤・在宅業務の継続困難」や「資材不足によるサービス低下から起こる患者減少」、「持っている薬局と持っていない薬局との格差」についても尋ねる。
定例会見で調査を説明した犬伏洋夫常務理事は、「なるべく多くの声を集めたい」といった狙いから「早ければ2~3分で答えられるくらいにボリュームを抑えた」と説明。都内の薬局で実際に何が起きているのか、という実態を伝えるための基礎資料として活用するとした。
現場での対応には医師への「相談」などを含むため、5月下旬に東京都医師会と東京都歯科医師会に協力を要請したことも明らかにした。両団体には今後、地域の薬局から各会員医療機関に対して「調剤方法や資材状況についての相談が増える可能性」を示し、あらかじめ情報共有したとしており、会員薬局に対しては必要以上の買い込みを避けた冷静な対応を求めていることも紹介し、地域医療への影響を最小限に留めるための行動に理解と協力を求めている。
(薬局新聞社)