指針・手順書を要約した「普及啓発資材」4種類を作成、説明・講演用に

ポリファーマシー対策

ブックマーク
厚生労働省は、高齢者のポリファーマシー対策を広めるため、既存の指針と業務手順書の要点をまとめた普及啓発資材4種類を作成した。医師や薬剤師らが病院や地域で対策を始める際、医療従事者への説明・講演に使う。2026年6月の高齢者医薬品適正使用検討会で公開した。
■主対象は医師・薬剤師ら、スライド形式で
高齢化で薬物療法の需要は高まり、なかでも75歳以上では加齢に伴う生理的変化から薬物有害事象が生じやすい。ポリファーマシーは、単に服用する薬剤数が多いことではなく、薬物有害事象のリスク増加や服薬過誤、服薬アドヒアランス低下などの問題につながる状態を指す。そうした対策の考え方や取り組み方をこれまで以上に広めることを、資材づくりの目的に据えた。厚労省の委託事業として専門家らでつくる調査検討会が作成を進め、26年3月に確定版をまとめた。
主な利用対象は医師、歯科医師、薬剤師とし、看護師等の多職種も想定する。「高齢者の医薬品適正使用の指針」と、病院および地域における業務手順書の要点をスライド(パワーポイント)に落とし込んだ。対策に未着手か、これから本格的に取り組む医療従事者が使うことを念頭に、分かりやすさと事実誤認の防止を重視。文字数を抑えてイラストを多用し、指針や手順書の記述をできるだけ直接引用したうえで、スライド単位で抜粋して使えるようにした。
■対策は「身近なところから小規模に」

4種類の資材は、指針の①総論編と②各論編(療養環境別)、業務手順書の③病院版と④地域版にそれぞれ対応する。
具体的に①では、服用薬剤が6種類以上で薬物有害事象の頻度が高まる点(図表1)や、ふらつき・転倒などの薬剤起因性老年症候群、処方見直しのフローチャート、高齢者への薬物投与時の留意事項、服薬支援などを取り上げる。
②は、外来・在宅、急性期後の回復期・慢性期の入院、常勤医が配置された介護施設等の療養環境別に留意点を整理し、「アドバンス・ケア・プランニング」(ACP)を通じた患者・家族の意向の尊重や非薬物的対応も示している。
③は、勉強会など身近なところから小規模に始める方法を軸に、PIMs(特に慎重な投与を要する薬物)を手がかりとした対象患者の絞り込みや、体制づくりから実施までの進め方を解説。
④では、そうした流れに加え、対策の旗振り役となる「地域ポリファーマシーコーディネーター」や、処方・服薬状況を把握して関係機関に働きかける「薬剤調整支援者」の役割にも触れている。

ブックマーク
記事一覧に戻る